京都府舞鶴市で自治体ライドシェア「meemo(ミーモ)」運用開始

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2024年4月1日、京都府舞鶴市で自治体主導型ライドシェアサービス「meemo(ミーモ)」(以下、meemo)が開始されました。

京都府舞鶴市のライドシェア「meemo(ミーモ)」とは

meemo」の本格運行がスタートしました。

もともと、meemoは、OSS(オムロンソーシアルソリューションズ株式会社)が開発、舞鶴市へ提供して地域共助型交通サービスとして以前から存在しています。舞鶴市、日本交通、OSSの三者が共同で運営し、同市高野地区での2年間の実証実験を経て、2022年6月から正式にサービスが開始され、地域住民の移動手段として利用されていました。

2023年12月28日、国土交通省による通達の改正が行われ、道路運送法に基づく自家用有償旅客運送制度が大幅に改訂されました。この改訂により、交通が不足する「時間帯による交通空白」を考慮した制度設計が可能になり、またドライバーへの報酬基準も見直されました。これによって、自治体などにより柔軟に制度を定め実施できるようになったのです。

そして、今年4月1日からmeemoは有償化し、高野地域のみを発着地とするライドシェアサービスとして運用が開始されています。
利用者は1回の送迎あたり700円分の乗車券を予め購入し、乗車時にドライバーに渡す運用となっており、現金などの運賃徴収はおこないません。乗車距離にもよりますが、1回あたり700円というのはタクシーに比べてかなり安いです。複数人の場合でも一回分の乗車券で利用可能とのことで、利用者に寄ったお得なサービスであると言えます。

サービス概要(meemo公式ページから引用)

項目 詳細
運営主体 高野地域協議会
目的 マッチングアプリ「meemo」や電話予約による住民同士の送迎サービスを実施することで、高野地域住民の外出機会を創出するとともに、タクシー不足等の課題に直面する既存の公共交通の役割の補完を目指す。
運行期間 原則、月曜から金曜までの平日
運行時間 8時30分から17時まで
運行区域 高野地域を発着地とし、西舞鶴地域区域内の移動が可能である。
西舞鶴地域とは、西は加佐地区、北は神崎地区、東は余内地区及び池内地区を含む区域とする。高野地域を発着地のいずれかにすることが条件であり、高野地域を含まない西舞鶴双区間の移動は不可とする。
対象者 指定なし
運賃 1回の送迎につき700円とする。
ただし、岡田上、岡田中、岡田下、八雲、神崎への送迎については、1回の送迎につき1,400円(乗車券2枚)とする。
※迎車地から目的地への送迎と、目的地から迎車地(発地)への往復送迎を連続して行う運行は、2回としてカウントする。
※利用者は、予め購入した乗車券を所持し、目的地へ到着後ドライバーに所要の乗車券を渡すこととし、現金等による車内での運賃収受は行わない。
※複数人の乗車であっても、利用は1回分の運賃とする。
支払い方法 利用者は予め購入した乗車券を所持し、目的地へ到着後ドライバーに所要の乗車券を渡すこととし、現金等による車内での運賃収受は行わない。
予約方法 meemoアプリ、もしくは電話でおこなう。
電話による受付時間は、稼働日の09:00から15:00までとする。
meemoアプリによる受付時間は、稼働日の09:00から16:30までとする。
ドライバーの報酬 1回の運行につき300円を支給

自治体データ

京都府の北部に位置する舞鶴市は、縄文時代からの交易拠点として栄え、1901年(明治34年)に設置された舞鶴鎮守府を契機に、日本海側唯一の軍港都市として発展を遂げてきました。市内は、戦国時代の武将、細川幽斎によって築かれた田辺城の城下町が形成する「西地区」と、日本遺産に認定された旧海軍関連の「赤れんが倉庫群」が特徴的な「東地区」に分かれています。
舞鶴市の人口は80,336人、面積は約342平方キロメートルです。高野地区は人口2,639人、面積約13平方キロメートルとなっています(2020年10月1日現在のデータに基づく)。

「meemo(ミーモ)」が開始された背景

田舎の道

さて、meemoは有償化する以前(2022年)から運用をしていたわけですが、全国に先駆けて実証実験や導入が行われた背景には何があるのでしょうか。

舞鶴市の高野地区では、路線バスの運行がありません。地域住民は自家用車もしくは、タクシーしか交通手段がないため、以前から交通空白地帯として課題であり、実際に不便と感じる住民が少なくなかったのです。
舞鶴市は、高野地区の公共交通を補完する持続可能な移動手段を検討した際、住民の「お互い様」の仕組みにより送迎し合うmeemoが最適なのではないかと考えました。そしてmeemoプラットフォームの開発提供を行っているOSS(オムロンソーシアルソリューションズ株式会社)と合同でサービスを整え、2020年から2021年にかけて実証実験を行いました。

2022年1月、高野地区の実証実験が終了した後、地元の9つの自治会が組織する高野区長会から、meemoサービスの継続実施を求める要望書が提出されました。この要望により、meemoが地域住民から必要とされていることが明らかになったのです。この要望を受け、meemoは高野地区での本格的な実施が決定されました。

公共交通のない地域が日本全国の25%にものぼる

こちらの記事でも書いていますが、地方の公共交通機関のほとんどが赤字運営で、次々に撤退しています。特に過疎地においては、バスも電車もないため交通の足のほとんどを自家用車に頼らざるを得ない状況です。

ライドシェアが過疎地活性化の起爆剤となる

タクシーを配車しようにも、場所によっては断られたり必要な時に来てもらえなかったりと不便が多いと聞きます。そのような地で自家用車がない人はどうなるのでしょうか?
近所や親兄弟を頼って乗せて貰うしか方法がないことは明白ですよね。病院や買い物に出かける毎に、頼るのは気が引けると思いますし、毎回何かしらの謝礼なども用意しないとならずヤキモキすることは容易に想像ができます。交通空白地とは正にこの事で、本当に車を必要としている人の元まで届いていないのが現状です。

そんな中、自治体主導のライドシェアは、営利目的ではなく地域活性目的で導入されることが多いため、タクシーだったら配車を断られるような場所にも柔軟に対応してもらえることが期待され、交通空白地を少しでも埋めることに寄与できるのではないでしょうか?
これから日本全国各地で同様のサービスが開始されていくと考えますが、地域振興の一環として自治体ライドシェアが広まっていくと良いなと感じています。

筆者 :

WordpressとコンテンツSEO大好きtakekoです。Wordpressでのサイト制作数は大小100を超えまして、私の仕事でなくてはならない相棒のような存在です。これからもWordpressを愛し、様々な記事を書いて少しでも見てくださる方のお役に立てたら嬉しいです。

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