日本でライドシェアが限定的に解禁されてから、2ヶ月近くが経過しました。
本日は、日本型ライドシェアと自治体ライドシェアの違いについて、さらに自家用有償旅客運送とは何かについて考えていきたいと思います。
この記事の目次
日本型ライドシェアと自治体ライドシェアの違い
まずは、日本型ライドシェアと自治体ライドシェアの違いについて、触れていきたいと思います。
日本型ライドシェア
日本型ライドシェアとは、タクシー会社が実施主体となり、タクシーが不足する地域、時期、時間帯において、地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供することを可能とした制度です。
日本型ライドシェアでは、タクシー事業者が教育、運行管理、車両整備管理等を行うなど運送責任を負います。料金は一般のタクシーと同額で、事前確定運賃の配車限定です。
自治体ライドシェア
自治体ライドシェアとは、地方自治体が主体となり、地域の公共交通機関の空白地帯を補完するために導入しているライドシェアサービスのことです。
運行主体は自治体やNPO法人となり、地域住民がドライバーとして登録できます。
運賃は地域によって異なりますが、タクシーよりも安価に設定されていることが多いです。また、利用する場合は、事前に電話やアプリで予約する必要があります。
日本型ライドシェアと自治体ライドシェアの比較表
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日本型ライドシェア |
自治体ライドシェア |
運営主体 |
タクシー事業者 |
自治体やNPO法人 |
利用方法 |
一般的なタクシーアプリ |
専用アプリや電話予約 |
運行エリア |
大都市や観光地 |
公共交通機関不足地域 |
料金 |
一般タクシーと同額 |
地域やサービス内容による |
車両 |
タクシー車両 |
自家用車や軽貨物 |
その他 |
24時間365日利用可能 |
運行時間・曜日に制限あり |
自家用有償旅客運送とは
これまで、自治体ライドシェアと言ってきましたが、自治体ライドシェアは通称であって自家用有償旅客運送と同義となります。
自家用有償旅客運送(通称、自治体ライドシェア)とは、道路運送法第78条第2号に基づき、国土交通大臣の登録を受けた自治体やNPO法人等が、自家用車を使用して旅客を運送することができる制度のことです。
自家用有償旅客運送を活用して、ライドシェア事業を実施する場合は、以下の要件を満たす必要があります。
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道路運送法第78条第3号に規定する要件を満たすこと
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都道府県知事の許可を得ること
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運行管理者を選任すること
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車両の安全確保措置を講ずること
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運転者の適性審査を行うこと
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利用者に対する情報提供を行うこと
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運賃の上限を設定すること
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事故発生時の対応等を行うこと
自家用有償旅客運送実施の全国自治体一覧
自家用有償旅客運送を実施している全国の自治体一覧をこちらのページでまとめています。
日本型ライドシェアを導入するメリットは?
日本型ライドシェアと自治体ライドシェアの違いについて、また自家用有償旅客運送は通称自治体ライドシェアと呼ばれていること、等についてはなんとなく理解できました。
日本におけるライドシェア事業は、日本型ライドシェアが解禁される以前から、自治体ライドシェアと呼ばれる自家用有償旅客運送制度で成り立ってきました。
そこにきて、タクシー会社主導の日本型ライドシェアが解禁され、すでに自治体ライドシェアが導入されている地域では、新たに日本型ライドシェアを導入するメリットが今ひとつ見えてきませんね。
※過疎地でのライドシェアについては、こちらの記事でまとめられています。
現在、6月に向けて新たな法制度について議論が進められていますが、日本型ライドシェアの課題は解決されるのでしょうか?