「タクシーが足りない」とはどういうことなのか

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みなさんこんにちは。数列です。
早速ですが、ライドシェアが始まった経緯として「タクシー不足」というものが大きな要因になっていると思います。
ただ、そもそも「タクシー不足」というものが一体なんなのかを考えたことがあるでしょうか?
ということで今回はこの「タクシー不足」ってどういうこと?をテーマに全国ハイヤー・タクシー連合会の資料を参考に考えてみようと思います。

「タクシー不足」の課題は主に3つに分かれる

一口にタクシー不足と言ってもそれぞれの環境で全く異なる課題を抱えていると思います。
今回はおもに3つの環境で課題を考えてみました。

都市部における課題

まず都市部においては、時間帯や天候によってタクシー不足が発生するケースがあります。
通勤時間や雨の日・猛暑日などでタクシーの利用が急増する場合がそれに当たります。
ただ、実は都市部においてはタクシーが増加傾向にあります。
運賃改定が2022年11月に改定され、タクシー乗務員の賃金が上がったことが主な要因とされています。
とはいえ局地的に足りなくなる場合もあるようですが、ピーク需要に対応する形で4月から日本版ライドシェアがスタートしている状況です。

観光地における課題

続いて観光地においてはインバウンドの増加によりタクシー不足が発生するケースです。
日本政府観光局の情報によれば、2024年3月〜5月までの訪日観光客は3ヶ月連続で300万人を超えている状況です。
これはコロナ禍以前の数字に近い状況であり、まだまだ増加傾向にあります。
観光地においてはオーバーツーリズム(※)が深刻化しており、タクシー不足もその一因となっています。
※オーバーツーリズムとは…特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が、地域住民の生活や自然環境、景観等に対して受忍限度を超える負の影響をもたらしたり、観光客の満足度を著しく低下させるような状況。

地方・過疎地における課題

最後に地方などの過疎地でタクシー不足が発生しているケースです。
人手不足によるタクシー・バス会社の撤退が深刻化してしまっている地域も少なからずあり、少子高齢化が進む日本においては今後もこの問題が増えることになりそうです。
ただ、最近では自家用有償運送の規制緩和や自治体独自のライドシェアの導入・実証実験も開始されており試行錯誤されているようです。
国土交通省が発表している資料によれば、自治体の要望にほぼ応えるレベルで緩和が講じられています。
参考:自家用有償旅客運送制度の改革

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は主な例として3つの課題について書かせていただきました。
某SNSの投稿で、そもそもタクシーは不足していないとの発言を見かけまして、どういった環境を指して言っているのかという疑問から今回記事に至りました。
こういった前提の部分も情勢を理解する上では重要なことだと思いました。
ライドシェアはあくまで課題解決の手段ですが、これらの課題を解消することができるのか?今後に期待したいですね。

筆者 :

新しい技術やサービスに興味があり常にアンテナを張ってます! カレーやハンバーガーをこよなく愛する。

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